【25年2月】PCEデフレータの速報値をデータから予想

PCE(個人消費支出)は、米国経済の行方を測る主要な指標であり、その影響力は多岐にわたります。特に 米国の中央銀行制度の最高意思決定機関であるFRBは、政策金 利はじめ国の経済状況を測る上でPCEのデータを重視しています 。 FXトレーダーにとっても、投資家にとっても、不可欠なデータで す。この記事では、PCEがどのように相場に影響を与えるのか、構成データをどのように分析すればよいかを詳しく解説します。

目次

PCEが相場に与える影響は大きい

PCE(個人消費支出)は、米国における消費者の支出動向を把握するための指標であり、特にFRB(連邦準備制度 理事会)が金融政策を決定する際に非常に重要視しています。

米国経済の約70%は個人消費によって支えられているため、消費支出の動向は 経済全体の健全性を直接反映し、通貨相場に影響を与える可能性が高いのです。とりわけ相場に影響を与えるとして多くの人に知られるCPI(Consumer Price Index:消費者物価指数)に並ぶ指標です。

経済への移り変わりとしては、PPIが生産価格、CPIが店頭価格、PCEが実際に消費者が支払った価格ですから、その重要性は頷けます。

PCEが市場に与える最も大きな影響は、インフレ期待と金融政策の動向に関連しています。具体的には、PCEデータの結果が高い場合、消費の拡大によって物価上昇が加速し、FRBがインフレ対策として利上げを行う可能性が高まりま す。

これが発表されると、米ドルは上昇し、ドル円相場は上向きの円安トレンドを形成します。一方、PCEが予想を下回ると、利上げの可能性が低下し、円高ドル安の局面に転じる可能性があります。

また、PCEデータには「PCEコアデフレーター」と呼ばれる指標が含まれており、これは食料品やエネルギーといった価格変動の激しい項目を除いたインフレ率を測るものです。FRBが特に注視するのはこのコアデフレーターであり、 その結果次第で政策金利の動向が決まるため、FX市場でも重要な指標として扱われます。

PCEは経済の結果や影響を測定した遅行指数

PCEは「遅行指数」として分類される指標です。これは、すでに起きた経済活動の結果を集計し、後から発表されるためです。

例えば、すでに行われた消費行動を反映するため、事前に市場が予測を立てることは可能ですが、あくまで過去のデータである点に注意が必要です。

  1. 消費者の反応時間
    経済状況の変化に対する消費者の反応には時間がかかります。雇用や所得の変化が実際の消費行動に反映されるまでにはタイムラグが生じます。
  2. データの集計と公表の遅れ
    PCEデータの収集、集計、分析には時間がかかり、 通常、対象期間の1ヶ月後に公表されます 。
  3. 経済政策の影響
    金融政策や財政政策の効果が 消費行動に反映されるまでには時間がかかります 。
  4. 消費者心理の遅延効果
    経済の好転や悪化が消費者心理に影響を与え、実際の消費行動に 反映されるまでには時間を要します。
  5. 長期的トレンドの反映
    PCEは短期的な変動よりも、長期的な経済トレンドを反映する傾向があります。

これらの要因により、PCEは経済の現状や過去の動向を示す遅行指数として機能し、経済分析や政策決定の重要な指標となっています。

PCEを予測するために、構成データを紐解く

PCEデータは単なる消費支出の総額ではなく、複数のカテゴリから構成されています。これらのカテゴリは、ドル円相場に対する影響力が異なるため、各構成要素を深く分析することで、PCEの結果がドル円相場に与える影響を予測す る精度が向上します。

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CPI 消費者物価指数

CPIは PCEより早く発表されるため、重要な先行指標となります。 消費者が購入する商品やサービスの価格変動を測定する重要な指標です。 特に変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIに注目します。 耐久財と非耐久財の両方のセクターを含みます。

CPIは全項目で上振れました。先行指数としてはPCEも強い数値や上振れる内容です。生活必需品が上昇すれば消費者が購入する価格であるPCEは上昇を余儀なくされます。

CPI

PPI 生産者物価指数

PPIはCPIの先行指数として、次に重要な生産者側の物価です。企業間で取引される商品・サービスの価格変動を測定します。 CPIとほぼ同時期に発表され、より早い段階でインフレ圧力を把握できます。 こちらも、CPIと同様に耐久財と非耐久財の両方のセクターを含みます。

PPIはCPIと同様に全項目で上振れました。インフレ圧力が強く、今後もインフレが根強い可能性の高さを感じさせます。

PPI

小売売上高

小売売上高は、特に非耐久財部門に強い影響を与えます。 消費者がどれだけの金額を支出しているかを示すこの指標は、 PCEにおいて非耐久財セクターの動向を占う上で重要です。

小売

小売売上高は大きく下落しました。特に自動車やスポーツ用品、家具で落ち込み強かった内容です。これは全米第2の都市圏を持つロサンゼルスの一部の山火事による壊滅的な被害、また厳しい寒波に見舞われた地域もあり、実店舗での購買が落ち込んだ可能性を言われています。一時的かどうかを判断するのは難しいですが、約2年ぶりの大幅下落は多くの品目で下げている事実はあります。

GDPの計算に使用される食品サービス、自動車ディーラー、建築資材店、ガソリンスタンドを除く売上高は0.8%減少で、他の項目より減少率が低いです。必需品はあまり落ち込まずの今回の小売の結果は、必需品でない物価は購入が控えられている内容です。これはPCEでは下落材料です。

個人所得と個人消費支出

個人の所得が増加すれば、消費も増加する傾向にあります。特にサービス部門においては、個人の所得動向がサービス需要を 支える大きな要因となります。 個人所得データは、特にサービス部門における消費支出を予測する際に重要です。さらに個人消費支出も同様に実際に消費された

公表日時結果予想
2025年02月28日 (1月) 0.4%
2025年01月31日 (12月)0.4%0.4%
2024年12月20日 (11月)0.3%0.4%
2024年11月28日 (10月)0.6%0.3%
所得は横ばい予想
公表日時結果予想
2025年02月28日 (1月) 0.2%
2025年01月31日 (12月)0.7%0.5%
2024年12月20日 (11月)0.4%0.5%
2024年11月28日 (10月)0.4%0.4%
消費は減少予想

個人所得は横ばい。しかし消費は落ち込む予想です。実際に消費された価格を知るPCEとしては下落材料です。

消費者信頼感指数

消費者の信頼感が高まれば、消費行動は積極的になります。 特に耐久財とサービスの消費が増加しやすく、消費者信頼感指数が予測よりも強い場合、PCEも高い結果を記録する可能性が高まります。

公表日時結果予想
2025年02月26日 (2月)98.3102.7
2025年01月29日 (1月)104.1105.7
2024年12月24日 (12月)104.7112.9
2024年11月27日 (11月)111.7111.8

2月のデータは大きく下がっています。ミシガン大学消費者信頼感指数も同様に下落しました。消費者マインドは下がっていることがわかります。

住宅市場データ

住宅市場は、耐久財(家電や家具など)の購入と強く連動してい ます。住宅が売買されると、引っ越しに伴って新しい家具や家電製品が購入されるため、耐久財の消費が増加します。 耐久財はPCEの約10%~15%を占めているため、住宅市場データ は3%~5%の影響をPCEに与える可能性があります。

公表日時結果予想
2025年03月20日 (2月)  
2025年02月22日 (1月)4.08M4.13M
2025年01月25日 (12月)4.24M4.19M
2024年12月20日 (11月)4.15M4.09M
中古住宅販売戸数
公表日時結果予想
2025年02月27日 (1月)657K679K
2025年01月28日 (12月)698K669K
2024年12月24日 (11月)664K666K
2024年11月27日 (10月)610K725K
新築住宅販売戸数

住宅市場も落ち込みました。比重的には中古の方が米での流通、取引量が多いのでそちらを重視します。PCEとしては下落材料です。

PCEと過去の値動き(日足と1分足)

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現在のドル円相場を分析

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まとめ

いかがだったでしょうか。

PCEの発表はドル円相場に大きな影響を与えるため、FXトレーダーにとっては 重要な指標です。

特に、PCEコアデフレーターがFRBの金融政策に影響を与えるため、トレーダ ーはPCEの構成データをしっかりと理解し、予測することで相場の動きを先取りできるかもしれません。

PPI、CPIと上振れてPCEも上振れが意識されると思いますが、内訳データとしてはインフレに対して必需品外の消費が追いついていないところが見えますので、私の予想は下振れ、もしくは予想値と同様でドルとしては弱い材料になりやすいと思います。

皆様の利益を願っております。

DAKURA

※ブログやXでの私の予想はあくまで個人的な見解、分析であり結果を約束するものではありません。内容も投資を勧めるものではなく、あくまで為替と株の上昇材料と下落材料を双方に発信しているものです。投資は自己責任、自己判断です。予想が外れたことやデータの抽出ミス等による責任は一切負いません。リスク管理にご注意ください。

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