【25年4月】GDPの構成データから速報値を予測

経済指標は投資家やトレーダーにとって重要な判断材料となります。その中でも、GDP(国内総生産)は、経済全体の動向を示す代表的な指標であり、株式市場や為替市場への影響は大きいです。また、GDPのデー タは速報値、改定値、確報値の3段階に分かれて公表され、 特に速報値の影響が大きく、為替市場や株式市場の動向を左右します 。本記事では、GDPの構成データや関連する経済指標を基に、今後の相場をどのように予測するかについて解説します。

1. GDPが相場に与える影響とドル円について

【基本情報】ドル円としてはGDPの速報値が市場予想を上回ると、ドル高や株高の材料となる一方、下回る場合はドル安や株安の効果を生み出す可能性があります。国内総生産を示すGDPは単純に国の経済成長を表すためです。

GDPは、対象期間が終了してから発表されるため、 過去の経済を表す「遅行指数」 とされますが、その心理的な影響力は無視できません。特に速報値が大きな注目を集め、実際の市場動向に影響を与えることが多く、値動きも大きいです。

まずはその理由について解説します。

1-1. 速報値、改定値、確報値の違いと特徴

GDPは前四半期の経済状況を教えてくれます。例えば図のQ4は、10~12月の四半期、つまり第4四半期を指します。基本的には四半期(Q1、Q2、Q3、Q4)の結果は「速報値、改定値、確報値」と近づくにつれて、徐々に予想値も近づいています。

GDPの速報値は最初に発表されるデータで、主に簡易的なサンプルに基づいて作成されます。そのため、経済全体の動向を素早く把握できるものの、正確さには限界があります。改定値や確報値では、より詳細なデータが反映され、速報値からの修正が入ることがよくあります。 修正されることで、該当四半期における経済成長のデータが正確なものになっていきます。

しかしながら 確報値ともなればその修正値が市場に織り込まれますし、データとしては3ヶ月前の経済状態を表すので情報として古くなります。

そのため、GDPは速報値に最も注目が集まります。同時刻に発表され る経済指標がある場合には、 改定値、確報値と進むにつれて他の経済 指標を重視した方が良い判断ができます。優先度を把握しましょう。

1-2. GDPは過去の経済を表す遅行指数であるにも関わらず、相場を動かす理由

GDPデータは対象期間が終了してから発表されるため、他の経済指標と比べて 「遅行指数」として分類されることは記述しました。「半年先を見ろ」と言わ れる投資活動ですが、GDPがこれほど価格に影響を及ぼすのには理由がありま す。

それは GDPが経済の包括的な指標であるため、中長期的な経済分析や政策決定 においては依然として重要とされるからです 。世界中で報道される国力を測る 代表格として、メディアにも大きく取り上げられ、広く一般の人々に景況感の変化を与えます。一般投資家に与える心理的な影響が大きいため、市場を大き く動かす要因となります。

市場はプロの投資家や機関投資家と言われる大口だけで動いているものでな く、一般投資家も動かしています。

経済活動を活発に追うことのない大多数のライトな投資家たちの心理的な影響が、為替や株価に影響を与える要因のひとつとなるので、GDPは遅行指数でありながら注目されます。

1-3. GDPから派生する景気後退やリスクから利益のチャンスを探す

2四半期連続でGDPがマイナス成長を記録する場合、一般的には 「テクニカ ル・リセッション」と呼ばれます 。

このテクニカル・リセッションに陥ってしまうと、国力を意識され、国の通貨 は下がりやすいです。またそれを見越して、マイナス成長が記録された通貨の 2度目のGDP発表時には注目が集まり、時にはそれを織り込んで価格が変動しやすいです。

投機的なポジションにもさらされ、景気後退を印象付けます。

また、スタグフレーション(経済成長が停滞中の物価上昇)のリスク も考慮すべきです。成長が停滞しつつ物価が上昇する状況では、経済が混乱し、政策判断が難しくなることがあります。スタグフレーショ ン直後の国の通貨は急落する傾向にあります。 チャンスとしても押さえておきたいポイントです。

2. GDPを予測するために必要な構成データ

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